ト トレンド・ラボ
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』原作・あらすじと新版、手記版の違いを徹底比較

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』原作・あらすじと新版、手記版の違いを徹底比較

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』原作・あらすじと新版、手記版の違いを徹底比較
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』原作・あらすじと新版、手記版の違いを徹底比較
@ creator • クリックで動画再生
🎵 『母さんがどんなに僕を嫌いでも』原作・あらすじと新版、手記版の違いを徹底比較

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』は、漫画家・歌川たいじが自身の生い立ちと母親との確執を描いたコミックエッセイです。2013年2月の初版刊行後、2015年には文章で綴った手記版が登場。さらに2018年6月には、漫画を全面的に描き直した新版が刊行されました。同年には児童書版も発売され、11月には実写映画が公開されています。

この作品を読む際に知っておきたいのは、単に絵が変わっただけではないという点です。コミックエッセイ、手記、児童書版では、表現方法や想定する読者、物語の伝え方に違いがあります。刊行元のKADOKAWA、PHP研究所の書誌情報や、歌川たいじ本人が刊行の背景を語ったインタビューをもとに、あらすじ、作品の背景、各版の違い、読者の感想や評判を整理します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 作品の原点:2013年2月28日、歌川たいじによるコミックエッセイとして初版刊行。
  • 版ごとの違い:2015年に文章主体の『手記 母さんがどんなに僕を嫌いでも』、2018年6月に全ページを描き直したコミックエッセイ新版が登場。
  • 読む目的で選ぶ:絵と文章で物語を追いたいならコミック版、文章で心情を読み込みたいなら手記版、子どもと一緒に考えたい場合は児童書版が選択肢になる。

【あらすじと作品内容】母親との確執から、自分の居場所を見つけるまで

母さんがどんなに僕を嫌いでも
【画像】母さん が どんなに 僕 を 嫌 関連ショット

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』の中心にあるのは、母親から十分な愛情を受けられず、苦しい幼少期を過ごした少年が、周囲の人との出会いを通じて自分の人生を切り開いていく物語です。作者自身の経験を土台にした、自伝的なコミックエッセイとして刊行されました。

歌川たいじが描く母親は、周囲からは美しく、人望のある人物として見られています。しかし、家庭内での姿は外からの印象とは異なります。主人公は母親から暴力を受け、気持ちを理解してもらえない苦しさを抱えながら成長します。周囲の人には家庭で起きていることを打ち明けにくく、学校生活でも孤独や困難を経験します。

物語の重要な存在が、主人公を支える祖母や友人たちです。母親との関係だけが主人公の人生のすべてではありません。自分を受け入れてくれる人に出会い、家庭の外にも居場所があると知ることが、人生を変えるきっかけになっていきます。

やがて主人公は家を離れ、自分の力で生活を築く道を歩み始めます。母親への憎しみや傷ついた記憶を抱えながらも、自分自身の人生と向き合い、母親との関係を改めて考えていく展開が描かれます。

作品の特徴は、虐待を受けた経験を告白するだけで終わらないことです。傷ついた人が他者とのつながりを通じて生き方を変えていく過程と、親子という近しい関係であっても、相手のすべてを簡単には理解できないという現実が描かれています。

ただし、これは親子の和解だけを目標にした物語ではありません。家庭の外に助けを求めること、自分の人生を自分で選ぶこと、過去の経験を抱えながら生きていくことも、作品を読み解くうえで欠かせない要素です。

【歌川たいじのプロフィール】作品が生まれた背景と刊行の経緯

母さんがどんなに僕を嫌いでも
【画像】母さん が どんなに 僕 を 嫌 関連ショット

歌川たいじは、1966年東京都生まれの漫画家・作家です。国立国会図書館の書誌情報では、ブログ「ゲイです、ほぼ夫婦です」で人気を集め、2010年に『じりラブ』でデビューした経歴が紹介されています。漫画を中心に、自身の経験や人間関係、生き方を題材とした作品を発表してきました。

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』が生まれた背景には、作者がブログで発信していた幼少期の経験があります。学習漫画に関するインタビューで歌川は、当時、親との関係や傷ついた経験を扱う、いわゆる「毒親本」が注目されていたことや、ブログに書いていた子ども時代の話をきっかけに書籍化の打診を受けたことを説明しています。

歌川が選んだのは、文章だけでなく漫画という形式で自分の経験を伝える方法でした。重いテーマでも、絵と文章を組み合わせれば、より多くの人に手に取ってもらえると考えたためです。表情や場面の構図を通じて、言葉だけでは伝えにくい恐怖、孤独、他者の温かさを表現できることも、コミックエッセイならではの強みです。

一方、漫画という形式には、読んでもらう場を広げるうえでの壁もありました。歌川は学習漫画に関するインタビューで、コマ割りのある漫画は図書館に置いてもらいにくいと聞き、テキスト版を刊行した経緯を語っています。

つまり、文章版の登場は、単なる別形式の出版ではありません。漫画を読む習慣がない人や、学校図書館などを通じて作品に触れる子どもたちにも、内容を届けるための試みでした。

また、文章であれば、出来事そのものだけでなく、その瞬間に何を怖いと感じ、何を言いたかったのかを、より直接的に伝えられるという考えもありました。刊行の経緯を知ると、複数の版が存在する理由が見えてきます。

【2013年・2015年・2018年を比較】新版と手記版は何が違う?

母さんがどんなに僕を嫌いでも
【画像】母さん が どんなに 僕 を 嫌 関連ショット

各版の違いを理解するうえでは、コミックエッセイの初版、文章主体の手記、漫画を全面的に描き直した新版、そして子ども向けの児童書版を区別することが大切です。特に「テキストエッセイ版」という言葉でまとめられがちな2015年版と2018年の児童書版は、刊行時期も編集上の目的も異なります。

刊行時期・版書誌情報主な特徴と読みどころ
2013年2月28日
コミックエッセイ初版
KADOKAWA刊
A5判・128ページ
刊行時の定価1,100円
作者自身の経験を漫画と文章で描いた原点。絵、表情、場面の流れを通して物語を追える。
2015年10月15日
手記版
『手記 母さんがどんなに僕を嫌いでも』
PHP研究所刊
四六判並製
刊行時の定価1,430円
文章を中心に、当時の恐怖や苦しさ、人生を立て直す過程を読む形式。コミック版とは異なる表現上の強みがある。
2018年6月30日
コミックエッセイ新版
KADOKAWA刊
A5判・144ページ
刊行時の定価1,210円
漫画ページをすべて新たに描き下ろし、増ページ。再構成によって読みやすくし、新版にあたってのあとがきを追加。
2018年10月15日
児童書版
『角川つばさ文庫版 母さんがどんなに僕を嫌いでも』
著・歌川たいじ、絵・ののはらけい
新書判・208ページ
子ども向けに再構成された文章主体の版。虐待やいじめに悩む子どもにも、家庭の外に居場所や助けがあることを伝える構成。

※価格は各出版社の刊行時の書誌情報に基づくもので、2026年現在の販売価格や在庫状況を示すものではありません。

2013年の初版と2018年の新版の大きな違いは、漫画の絵が一新されていることです。KADOKAWAの商品情報によると、新版では漫画ページをすべて描き下ろし、ページ数を128ページから144ページへ増やし、あとがきも追加しています。旧版の単純な再版ではなく、映画化を機に改めて構成された作品です。

2015年の手記版は、PHP研究所から刊行された文章主体の書籍です。出版社の紹介文では、母親の外向きの姿と家庭内での姿の違い、主人公が受けた虐待、家を離れて自活の道を歩み始めるまでの経験が紹介されています。

さらに2018年には、児童書レーベルの角川つばさ文庫から別の版が刊行されました。これは2015年の手記版と同一の書籍ではありません。子どもに向けた編集上の工夫があり、読者層や作品の届け方が異なります。

なお、2018年の新版が刊行された背景には、同年11月16日に公開された実写映画もあります。KADOKAWAは映画化を機に、オール描き下ろしの新版を刊行したと説明しています。原作を読み直したい既存読者だけでなく、映画をきっかけに作品を知った読者にも向けた展開でした。

【コミックエッセイとテキストエッセイの比較】自分に合う版の選び方

コミックエッセイと文章主体の手記版は、同じ経験を扱っていても、読者が物語を受け取る方法に違いがあります。どちらが優れているかという単純な比較ではなく、何を知りたいのか、どのように読みたいのかで選ぶのが適切です。

コミックエッセイの強みは、視覚的な情報量です。人物の表情、登場人物の距離、場面の切り替わりを通じて、家庭内の緊張や、主人公が周囲の人から受け取る優しさを直感的に捉えられます。文字だけの本を読むのが苦手な人でも、物語の流れを追いやすい形式です。

特に2018年の新版は、絵がすべて描き直され、ページ数も増えています。初版を読んだことがある人にとっても、描写や構成の違いを確かめる意味があります。ただし、絵が新しくなったからといって、初版とはまったく別の実話になったということではありません。基本となるのは、同じ作者の経験を描いた作品です。

文章主体の手記版の強みは、感情や記憶を言葉で追えることです。恐怖、悲しみ、戸惑いなど、出来事の最中に抱いていた感情を文章で読み込みたい人には、手記という形式が合う可能性があります。漫画で場面を把握した後に文章版を読むと、同じ出来事でも異なる角度から受け止められます。

子ども向けの角川つばさ文庫版は、さらに別の目的を持っています。歌川は映画の原作者インタビューで、児童書では伝えたいメッセージがぶれないように、原作に含まれるLGBTに関する要素を省いて構成したことを説明しています。また、虐待やいじめを受けている子どもに、逃げ場や別の居場所があることを伝えたいという意図にも触れています。

ここで注意したいのは、児童書版が原作のすべてを同じ形で再現したものではないという点です。読者の年齢や作品の目的に合わせて編集されているため、作者の経験をより広い文脈で知りたい大人の読者は、コミックエッセイや2015年の手記版も比較すると理解が深まります。

また、映画と原作も同じものではありません。映画は映像作品として物語を再構成したもので、原作で描かれる作者自身の経験や背景を、すべて同じ密度で表現しているわけではありません。映画を観て興味を持った人が原作を読む場合は、映画との違いを探すこと自体が作品理解につながります。

【読者の感想と評判】心に残る作品である一方、読む際の負担にも注意

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』の感想を考える際は、書籍そのものへの評価と、映画版への評価を分けて見る必要があります。KADOKAWAの書籍ページに掲載された個人レビューには、物語のつらさや切なさに触れる感想のほか、主人公が他者との関係を通じて変化していく姿、終盤の母親との関係に心を動かされたという趣旨の感想が見られます。

これらは読者個人の感想であり、すべての読者が同じ受け止め方をしているという意味ではありません。それでも、作品の印象が単に「母親から虐待された話」という一点にとどまらず、主人公を支える人々や、親子関係をどう捉え直すかという部分にも向けられていることがうかがえます。

一方で、虐待やネグレクトの描写があるため、読むこと自体がつらいと感じる人もいます。過去に似た経験をした人にとっては、物語の描写が当時の記憶を呼び起こす可能性があります。作品が高く評価されているかどうかと、自分が無理なく読めるかどうかは、別の問題です。

映画版の評判も参考にはなりますが、原作の評価と混同してはいけません。検索時点で、映画.comには3.2点・72件、KINENOTEには70.9点・172人という映画版の評価情報が掲載されています。いずれも映画を対象とした指標であり、コミックエッセイの評判を直接示す数字ではありません。

映画版についても、虐待描写の重さや演出への意見など、評価の観点は一様ではありません。こうした評価を原作にそのまま当てはめるのではなく、どの版を読んだ人の感想なのか、何に対する評価なのかを見極めることが大切です。

また、本作の感想を読むときには、個別のレビューと、読者全体の傾向を区別する必要があります。数件の感想だけで作品の評判を断定することはできません。書籍の内容、版ごとの違い、実際に読んだ人が評価しているポイントを組み合わせて判断するほうが、作品の特徴を正確に捉えられます。

【プロの結論】「親子の和解」だけでは読み解けない作品の本質

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』を読むうえで重要なのは、親子の和解を唯一の正解として受け取らないことです。

歌川たいじはインタビューで、母親を恨んだ経験を経て、母親との関係を作り直す選択をしたことを語っています。これは作者自身がたどった人生の一つの道筋です。しかし、虐待や深刻な親子関係の問題を経験した人すべてに、同じ選択が求められるわけではありません。

本作が示しているのは、苦しい関係に耐え続けることの美しさではなく、人との出会いや自分自身の選択によって、人生の可能性が変わり得るということです。家族との関係を修復することも、距離を置くことも、置かれた状況によって意味が異なります。作者の経験を尊重しながら、自分や他者の人生に一つの答えを押しつけない読み方が必要です。

また、作品の刊行史にも同じ考え方が表れています。漫画で広く届ける方法、文章で内面を伝える方法、子ども向けにメッセージを整理する方法。作品の核となる経験を、異なる形式によって読者へ届けようとしたこと自体が、本作の特徴です。

これから初めて読む人には、まず自分が読みやすい形式を選ぶことをおすすめします。絵で場面を追いたいなら2018年のコミックエッセイ新版、文章で作者の経験を読み込みたいなら2015年の手記版、子ども向けの構成を知りたいなら角川つばさ文庫版が候補になります。

すでに初版を読んだ人は、2018年新版の描き直しや増ページ、あとがきに注目すると、同じ作品を改めて読む楽しみがあります。どの版を選ぶ場合も、読後の感想を急いでまとめる必要はありません。つらいと感じた場面と、心に残った人とのつながりを分けて考えることで、作品の見え方は変わってきます。

【母さんがどんなに僕を嫌いでも】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:『母さんがどんなに僕を嫌いでも』の原作は誰が書いた作品ですか?
A1:漫画家・作家の歌川たいじによる自伝的なコミックエッセイです。2013年2月28日にKADOKAWAから初版が刊行されました。

Q2:2013年の初版と2018年の新版は何が違いますか?
A2:2018年6月30日発売の新版では、漫画ページがすべて新たに描き下ろされ、ページ数が128ページから144ページに増えています。新版にあたってのあとがきも追加されました。

Q3:テキストエッセイ版は2018年の新版と同じですか?
A3:異なります。文章主体の『手記 母さんがどんなに僕を嫌いでも』は2015年10月にPHP研究所から刊行されました。2018年には、子ども向けに構成された角川つばさ文庫版も登場しています。コミックエッセイ新版は漫画を描き直した別の版です。

Q4:『母さんがどんなに僕を嫌いでも』は実話ですか?
A4:作者自身の生い立ちや母親との確執を題材にした自伝的な作品です。歌川たいじ本人も、作品の背景や母親との関係を作り直すまでの経験についてインタビューで語っています。

Q5:初めて読むなら、どの版がおすすめですか?
A5:絵と文章で物語を追いたい人には2018年のコミックエッセイ新版、文章で心情を読み込みたい人には2015年の手記版が選択肢になります。子ども向けの構成を知りたい場合は角川つばさ文庫版も候補です。虐待の描写が含まれるため、自分の気持ちや状況に合わせて選んでください。

Q6:2018年の新版が刊行された理由は何ですか?
A6:同年秋の映画公開を機に、KADOKAWAが全ページ描き下ろしの新版を刊行しました。絵を一新し、増ページとあとがきの追加によって、作品を改めて読める形に再構成しています。

まとめ:版ごとの違いを知り、自分に合う読み方を選ぶ

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』は、歌川たいじが自身の経験を通じて、家庭で受けた傷、周囲の人との出会い、自分の人生を切り開くことを描いた作品です。2013年のコミックエッセイ初版を出発点に、2015年の手記版、2018年の描き下ろし新版、子ども向けの角川つばさ文庫版へと展開してきました。

各版の違いは、刊行年や絵の変更だけではありません。漫画で視覚的に伝える方法、文章で心情を掘り下げる方法、子どもに届くように内容を再構成する方法という、それぞれの役割があります。どれか一つがすべての読者にとって最適というわけではありません。

2026年に本作を手に取るなら、まずは読みたい内容と形式を決め、必要に応じて別の版も比較してみるとよいでしょう。親子関係の物語としてだけでなく、人とのつながりや自分の居場所を考える作品として読むことで、刊行から年月を経た今も、異なる視点から受け取れるものがあります。 (出典: 母さん が どんなに 僕 を 嫌い でも(Yahoo!ニュース))

関連フォトギャラリー

母さんがどんなに僕を嫌いでも

母さんがどんなに僕を嫌いでも

母さんがどんなに僕を嫌いでも

母さんがどんなに僕を嫌いでも

この記事をシェアする:
山崎 莉乃 (Rino Yamazaki)

山崎 莉乃 (Rino Yamazaki)

トレンドリサーチャー

最新のトレンドや話題のニュースをわかりやすく解説するWebライターです。読者の皆様に役立つ情報を日々お届けしています。

この著者の記事一覧を見る

あわせて読みたい記事