「自分の機嫌は自分でとる」とは?意味・元ネタと実践法7選を心理学から徹底解説
「自分の機嫌は自分でとる」。落ち込んだときや、誰かの言葉にイライラしたとき、一度は耳にしたことがあるフレーズではないでしょうか。自分の気分を自分で立て直すという考え方は、仕事や恋愛、人間関係で心をすり減らさないためのヒントになります。一方で、「いつも明るくいなければいけない」「人に頼ってはいけない」という意味に受け取ってしまい、かえって自分を追い詰める人もいます。
この言葉が広まった背景には、2018年のテレビ番組での発言や、漫画家・瀧波ユカリさんによる発信など、複数の経緯があります。マイナビニュースの実践法やカウンセリングサービス心理学講座の心理的な解説、厚生労働省の睡眠・ストレス対策に関する情報を手がかりに、言葉の意味から不機嫌になる原因、機嫌を良くする具体例7選、他人に振り回されない自分軸の育て方まで詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 意味:いつも笑顔でいることではなく、自分の感情や欲求に気づき、必要な対処を選ぶこと。
- 背景:2018年のテレビ番組でのみやぞんさんの発言や、瀧波ユカリさんの漫画・SNSでの発信などが知られるきっかけになった。
- 実践法:睡眠・食事・休息・運動・深呼吸に加え、自分の本音を理解し、必要なときには他人に助けを求めることが大切。
【意味を正しく理解】「自分の機嫌は自分でとる」は、いつも明るく振る舞うことではない
「自分の機嫌は自分でとる」とは、落ち込んだり、イライラしたりしたときに、自分の感情を理解し、少しでも楽になるための行動を自分で選ぶことです。気分転換をする、十分に休む、悩みを整理する、必要なことを相手に伝える。こうした行動が、機嫌を自分でとることにつながります。
大切なのは、感情そのものを悪者にしないことです。怒りには「大切に扱ってほしかった」、悲しみには「わかってほしかった」、不安には「先が見えなくて怖い」といった背景が隠れている場合があります。感情は、自分の状態や満たされていない欲求を知らせるサインでもあります。
「機嫌をとる」と「感情を押し殺す」は違う
例えば、職場で理不尽な言い方をされて腹が立ったとします。無理に笑顔をつくり、「気にしない自分にならなければ」と感情を押し込めるのは、自分の機嫌をとることとは異なります。
まずは「嫌な言い方をされて傷ついた」「納得できないことがあった」と認める。そのうえで、少し席を離れる、信頼できる人に相談する、必要なら相手に改善を求めるといった対応を考えます。感情を認めることと、その感情のまま他人に八つ当たりすることは別問題です。
心理学でいう感情調整(エモーション・レギュレーション)は、感情の強さや持続時間、感情に伴う反応を調整することを指します。米国心理学会(APA)の心理学用語辞典でも、状況の捉え方を変えることや、感情に対してどのように行動するかを選ぶことなどが説明されています。
つまり、目指したいのは「何が起きても平気な人」ではなく、「嫌なことが起きても、自分を立て直す選択肢を持っている人」です。
自分の機嫌を自分でとるメリット
- 気分の回復方法が増える:落ち込んだときに、何をすれば楽になるのかを把握できる。
- 人間関係の摩擦を減らせる:不機嫌を察してもらおうとする代わりに、希望や不満を言葉で伝えられる。
- 自分の限界に気づきやすくなる:疲れやストレスを早めに察知し、休息や相談につなげられる。
- 他人の評価に振り回されにくくなる:相手の反応だけで、自分の価値や一日の充実度を決めなくなる。
ただし、すべての感情を一人で解決する必要はありません。つらいときに誰かに話を聞いてもらうことも、機嫌を立て直すための立派な方法です。
【元ネタ・広まった背景】みやぞんさん、瀧波ユカリさん、アンミカさんの発信
「自分の機嫌は自分でとる」という言葉には、特定の人物の一度の発言だけで生まれたというより、漫画やテレビ番組、SNS、著名人の発信を通じて認知が広がってきた背景があります。
マイナビニュースは2023年4月10日公開の記事で、この言葉の広まった背景と実践方法を紹介しています。一方、女性向けメディアのOggiが2019年2月6日に掲載した瀧波ユカリさんのインタビューでは、2018年のSNS投稿が大きな反響を呼んだことに加え、本人が漫画作品の中でも以前からこの言葉を使っていたことが紹介されています。
言葉が知られるようになった主な経緯
- 瀧波ユカリさん:漫画『臨死!! 江古田ちゃん』の作者。Oggiのインタビューでは、20代後半に描いた作品のセリフとして、この言葉が登場していたと本人が説明しています。また、2018年2月のSNS投稿が23万超の「いいね!」を集めたことも紹介されました。
- みやぞんさん:マイナビニュースによると、2018年4月放送の日本テレビ系『世界の果てまでイッテQ!』で、過酷なロケに取り組む際の発言が広く知られるきっかけになりました。困難な状況でも自分を励まし、他人に機嫌をとってもらおうとしない姿勢が共感を集めました。
- アンミカさん:2021年3月発売の『ポジティブ日めくりカレンダー 毎日アン ミカ』にも、この言葉が掲載されたことがマイナビニュースで紹介されています。
- 西村博之(ひろゆき)さん:マイナビニュースでは、みやぞんさんの言葉を評価し、インタビューや動画などで取り上げたことも、認知が広がる背景として紹介されています。
これらの経緯を踏まえると、単一の「元ネタ」だけを探すより、複数の発信が重なって言葉が定着したと理解するのが自然です。漫画のセリフとしての使用、SNSでの共感、テレビ番組での印象的な発言、著名人による紹介が、それぞれ異なる形で言葉を広めました。
このフレーズが支持される理由の一つは、誰かの機嫌をとることに疲れている人にも、自分の気分を立て直す余地があると伝えてくれる点でしょう。ただし、言葉の認知度が高まるほど、「人に頼らず一人で何とかしなければならない」という誤解も生まれやすくなります。
自分の機嫌をとることは、他人との関係を断つことでも、困っているときに助けを求めないことでもありません。自分の感情に対する責任を引き受けながら、他人との協力も大切にする。その両立が、言葉を日常生活に生かすうえでのポイントです。
【心理学で読み解く】不機嫌になる原因と、他人に気分を左右される心理
自分の機嫌をとる方法を考えるには、まず何が機嫌を悪くしているのかを知る必要があります。不機嫌の原因は、目の前で起きた出来事だけとは限りません。睡眠不足や空腹、疲労、過度な緊張、期待と現実のずれなど、身体と心理の両方が関係しています。
原因1:疲労や睡眠不足で、感情に余裕がなくなる
普段なら受け流せる一言が、疲れている日は許せない。小さな失敗を何度も思い出し、自分に腹が立つ。そんなときは、性格の問題と決めつける前に、睡眠や食事、休息が足りているかを振り返ってみましょう。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について、個人差を踏まえながら6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することなどが示されています。睡眠は単なる休憩ではなく、心身の健康を支える生活習慣の一つです。
もちろん、6時間眠れば誰でも機嫌がよくなるわけではありません。必要な睡眠時間には個人差があり、睡眠の質や休養感も関係します。十分に眠れているか、朝起きたときに疲れが残っていないかなど、自分の状態を観察することが大切です。
原因2:相手に「察してほしい」という期待がある
他人に機嫌を左右されやすい人には、自分の希望を言葉にする前に、相手が気づいてくれることを期待している場合があります。
例えば、忙しいのに誰も手伝ってくれないとき。「これだけ大変なのだから、見ればわかるはず」と思うのは自然なことです。しかし、相手が気づかなかったり、期待した反応を返さなかったりすると、失望が怒りに変わることがあります。
この場合、問題は「相手が悪い」か「自分が悪い」かの二択ではありません。助けが必要だったことと、相手がその必要性を理解していなかったことを分けて考えると、次に取れる行動が見えてきます。「今、この作業を手伝ってほしい」と具体的に伝えることも、その一つです。
原因3:自分の価値を相手の反応で判断してしまう
メッセージの返信が遅いと「嫌われたのでは」と不安になる。上司の表情が険しいと「自分が何か失敗したのでは」と考える。こうした反応には、他人の態度を自分への評価と結びつけてしまう心理が関係している場合があります。
相手の反応には、相手自身の疲れや忙しさ、悩みなど、こちらとは直接関係のない要因も含まれます。それにもかかわらず、自分に原因があると決めつけると、相手の機嫌を何とかしようと気を遣い続けることになります。
そんなときは、「相手の機嫌が悪い」という観察できる事実と、「自分が嫌われている」という解釈を切り分けてみましょう。解釈を事実として扱わないだけでも、不要な不安に巻き込まれにくくなります。
原因4:本当の気持ちを我慢し、不機嫌として表れている
カウンセリングサービス心理学講座の青山リナさんは、2026年6月22日公開の記事で、不機嫌の奥にある依存と自立の心理を解説しています。記事では、相手に気持ちを察してもらうことを期待し、満たされなければ不満になる状態を取り上げ、自分のニーズを理解することの大切さを説明しています。
例えば、本当は寂しいのに「寂しい」と言えない。本当は手伝ってほしいのに「自分でできる」と無理をする。そうした気持ちが言葉にならないまま、不機嫌な態度や無言の抗議として表れることがあります。
ただし、不機嫌の原因がすべて依存にあるわけではありません。疲労や不公平な扱い、過重労働、継続的なストレスなど、環境側に原因がある場合もあります。心理的な要因だけに注目して、自分を責めないようにすることも必要です。
原因と対処法を整理する比較表
| 不機嫌のきっかけ | 背景にある可能性 | 最初に試したい対処 |
|---|---|---|
| 些細なことでイライラする | 睡眠不足、空腹、疲労 | 食事・水分・休息を優先する |
| 相手の反応が気になる | 拒絶への不安、自己評価の揺らぎ | 事実と想像を分けて考える |
| 察してくれない相手に腹が立つ | 期待と伝達のずれ | 望んでいることを具体的に伝える |
| 理由もなく気分が沈む | ストレスの蓄積、心身の不調 | 休息を取り、状態が続けば相談する |
| 不機嫌になった自分を責める | 感情への否定、過剰な自己批判 | 感情を認め、次の行動を選び直す |
自分の機嫌をとる第一歩は、すぐにポジティブになろうとすることではありません。「今、何が起きているのか」「身体は疲れていないか」「本当は何を望んでいたのか」を順番に確かめることです。
【機嫌を良くする方法・具体例7選】睡眠・食事・休息から始めるセルフケア
マイナビニュースが紹介した7つの方法は、十分な睡眠、少し贅沢な食事、入浴、好きなものの鑑賞、おしゃれ、軽い運動、深呼吸です。どれも特別な道具や大きな出費を必要とせず、日常生活に取り入れやすい方法です。
ここでは、これらの実践法を生活に落とし込む際のポイントと、自分の状態に合わせた選び方を紹介します。
1.十分な睡眠をとる
疲れているときに無理に気持ちを切り替えようとしても、うまくいかないことがあります。そんな日は、早めに仕事や家事を切り上げ、眠る時間を確保することを優先しましょう。
就寝前の照明を落とす、寝室の温度や音を調整する、眠る直前までスマートフォンを見続けないなど、睡眠環境を整えることも一案です。眠る時間だけでなく、翌朝に休めた感覚があるかにも目を向けてみてください。
2.好きなものを食べ、食事を楽しむ
空腹のまま仕事を続けていると、集中しにくくなったり、些細なことにイライラしたりする場合があります。まずは食事を抜いていないか、水分を取れているかを確認しましょう。
余裕があれば、いつもより丁寧に料理を盛り付けたり、好きな店のメニューを楽しんだりするのもよい方法です。高価な食事をする必要はありません。食べる時間を確保し、味や香りを楽しむことを意識してみましょう。
3.湯船につかって休む
仕事や家事で緊張が続いた日は、ぬるめのお湯にゆっくりつかり、身体を休める時間をつくりましょう。入浴が負担になるほど疲れているときは、無理をせず、短いシャワーや着替えだけでも構いません。
入浴中は仕事の連絡やSNSから離れ、好きな音楽を流すなど、気持ちが落ち着く環境を整えるのもおすすめです。
4.好きな音楽や映画、漫画に集中する
嫌な出来事を何度も思い返してしまうときは、意識を別の対象に向ける時間をつくります。好きな音楽を聴く、映画を観る、漫画を読む、趣味に没頭するなど、自分が楽しめるものを選びましょう。
ポイントは、単に情報を流し続けるのではなく、自分が心地よいと感じるものに意識を向けることです。落ち込んでいるときに明るい作品を楽しめないなら、静かな音楽や安心できる作品を選んでも問題ありません。
5.身だしなみを整える
お気に入りの服を着る、髪を整える、スキンケアをする、爪の手入れをする。こうした小さな行動も、自分を大切に扱うきっかけになります。
誰かに褒められるためにおしゃれをするのではなく、自分が心地よく過ごせるかどうかを基準にしましょう。外見を整える気力がない日は、清潔な服に着替えるだけでも十分です。
6.散歩や軽いストレッチで身体を動かす
頭の中で悩みがぐるぐる回っているときは、少し歩いたり、肩や首をゆっくり動かしたりしてみましょう。窓を開けて外の空気を吸う、近所を10分ほど歩くといった小さな行動でも、気分を切り替えるきっかけになります。
大切なのは、運動を新たな義務にしないことです。疲れ切っているときや体調が悪いときは、運動より休息を優先してください。
7.深呼吸して、自分の気持ちを書き出す
怒りや不安が強くなったら、すぐに返信したり、相手を責めたりする前に、一度呼吸を整えます。無理のない範囲でゆっくり息を吐き、身体の緊張が少し和らぐのを待ちましょう。
さらに、ノートやスマートフォンのメモに「何があったか」「どう感じたか」「本当はどうしてほしかったか」を書き出すと、自分の感情を整理しやすくなります。例えば、「返信が遅くて腹が立った」だけでなく、「予定がわからず不安だった」「一言連絡がほしかった」と掘り下げてみるのです。
厚生労働省の「こころもメンテしよう」でも、身体を動かす、今の気持ちを書く、腹式呼吸をする、音楽を聴くといったセルフケアが紹介されています。自分に合う方法は、その日の体調やストレスの種類によって異なります。
7つすべてを実践する必要はありません。疲れている日は睡眠、怒りが強い日は深呼吸、気持ちが沈んでいる日は散歩や好きな音楽というように、そのときの自分に合う方法を一つ選んでみましょう。
【依存から自立へ】自分のニーズを知り、他人に振り回されない自分軸を育てる
睡眠や運動などのセルフケアは、心身を立て直すための土台です。しかし、それだけでは解決しにくい不機嫌もあります。例えば、特定の人の言動にいつも傷つく、誰かに認められないと自信が持てない、断れずに引き受けた仕事に腹が立つといった悩みです。
こうした場面では、自分が何を望み、何を我慢しているのかを理解することが重要になります。
「依存」は人に頼ることそのものではない
カウンセリングサービス心理学講座の2026年6月の記事では、不機嫌を、相手に自分の満たされ感を委ねている状態として捉える視点が紹介されています。相手が察してくれれば満たされ、察してくれなければ不満になる。自分の気分を決める権限を相手に渡してしまうことが、苦しさにつながるという考え方です。
ただし、誰かに頼ること自体は悪いことではありません。人間は他者と支え合って生活する存在です。問題になるのは、「相手が自分の期待どおりに動かなければ、自分は幸せになれない」と考え、自分の選択肢を狭めてしまうことです。
精神的な自立とは、誰にも頼らずにすべてを解決することではありません。自分の感情や希望を理解し、自分でできることを選びながら、必要なときには適切に助けを求めることです。
自分のニーズを理解するための3つの質問
- 私は今、何を感じている? 怒り、悲しみ、寂しさ、不安、疲労など、感情を具体的な言葉にします。
- 本当は何を望んでいた? 安心したかった、手伝ってほしかった、尊重してほしかった、休みたかったなど、自分の希望を探ります。
- そのために、今できることは? 休む、依頼する、断る、相談する、距離を置くなど、自分が選べる行動を考えます。
例えば、パートナーが自分の話を聞いてくれずに腹が立ったとします。「どうしてわかってくれないの」と責める前に、「今日は疲れていて、ただ話を聞いてほしかった」と自分の希望を言葉にしてみます。そのうえで、「10分だけ話を聞いてもらえる?」と具体的に頼むことができます。
相手が必ず応じてくれるとは限りません。それでも、自分の希望を把握し、伝え、必要なら別の方法を考えることはできます。相手の反応を完全にコントロールできなくても、自分の行動まで相手任せにする必要はありません。
自分軸を育てるための小さな習慣
自分軸とは、周囲の意見を無視して自分の思いどおりに振る舞うことではありません。他人の意見を参考にしながらも、最後は自分の価値観や体調、生活上の事情を踏まえて選択できることです。
- 疲れている日は、無理な予定を一つ減らす。
- 頼まれごとを引き受ける前に、自分の余裕を確認する。
- 嫌だったことを、相手への攻撃ではなく自分の希望として伝える。
- 他人の評価だけでなく、自分が納得できる行動を振り返る。
- 一人で解決できない問題は、信頼できる人や専門家に相談する。
自立を目指すあまり、甘えたい気持ちや助けてほしい気持ちまで否定してしまうと、かえって孤立しやすくなります。自分の弱さも含めて理解することが、無理のない自分軸につながります。
【職場・人間関係で実践】不機嫌を持ち込まないための感情コントロール術
自分の機嫌をとることは、職場や家庭など、他人と関わる場面でも役立ちます。ただし、いつでも穏やかに振る舞うことを自分に課す必要はありません。目標は、感情をなかったことにするのではなく、感情に任せた行動で状況を悪化させないことです。
職場では「反応する前の間」をつくる
仕事で厳しい指摘を受けたときや、納得できない依頼をされたときは、その場で言い返す前に少し時間を取ります。ゆっくり呼吸する、飲み物を飲む、要点をメモするなど、短い間を挟むだけでも対応を考えやすくなります。
すぐに回答する必要がない内容なら、「確認してから回答します」「優先順位を整理して相談させてください」と伝える方法もあります。感情が強い状態で判断しなくて済むよう、対応の選択肢をあらかじめ持っておくことがポイントです。
相手の機嫌と、自分の責任を切り分ける
上司が不機嫌だからといって、すべての原因が自分にあるとは限りません。一方で、自分のミスが原因で相手が困っている場合には、必要な謝罪や修正をすることも大切です。
判断のポイントは、事実と責任の範囲を分けることです。自分に改善すべき点があれば対応する。相手の個人的な苛立ちや、理不尽な要求まで引き受けない。この区別ができると、必要以上に相手の機嫌を取ろうとする負担を減らせます。
また、ハラスメントや過重労働など、環境そのものに問題がある場合は、自分の考え方を変えるだけでは解決しません。上司や人事、相談窓口などに相談し、必要に応じて距離を取ることも選択肢です。「自分の機嫌は自分でとる」という言葉を、不当な扱いを我慢する理由にしてはいけません。
家族や友人には、察してもらうより希望を伝える
親しい間柄ほど、「言わなくてもわかってほしい」という期待が強くなることがあります。しかし、相手にも相手の事情があり、いつでもこちらの気持ちを正確に理解できるわけではありません。
「なんで連絡してくれないの」と責める代わりに、「予定がわからないと不安になるから、遅くなるときは連絡してほしい」と伝える。こうした言い換えは、相手を攻撃することなく、自分のニーズを伝える助けになります。
もちろん、希望を伝えても相手が繰り返し無視したり、尊重してくれなかったりする場合は、関係そのものを見直す必要があります。自分の機嫌をとることは、相手の問題まで自分の努力だけで解決しようとすることではありません。
感情を振り返るための1日3分の習慣
寝る前に、次の3点を短く記録してみましょう。
- 今日、機嫌が悪くなった場面はどこか。
- そのとき、身体や心はどんな状態だったか。
- 次に同じことが起きたら、どんな対応を試したいか。
毎日続けるのが負担なら、気になった日だけでも構いません。記録の目的は、自分の行動を採点することではなく、疲れやすい場面、無理をしやすい状況、気分が回復しやすい方法を知ることです。
感情の変化に早く気づけるようになると、限界まで我慢してから爆発するのではなく、早めに休む、予定を調整する、誰かに相談するといった対応を取りやすくなります。
【プロの結論】自分の機嫌は「管理」するより、自分を理解して整える
「自分の機嫌は自分でとる」という言葉を日常に生かすうえで、最も大切なのは、機嫌の良し悪しを自分の人間性の評価に結びつけないことです。機嫌が悪い日は誰にでもあります。落ち込むことも、怒ることも、他人に頼りたくなることも、人間として自然な反応です。
自分の機嫌をとる力は、感情を完全にコントロールする能力ではありません。自分の状態に気づき、必要な休息を取り、自分のニーズを理解し、状況に応じて行動を選び直す力です。
自分に合う方法を見極める判断基準
- 疲労が強い人:気分転換を増やす前に、睡眠・食事・休息を確保する。
- 他人の反応に敏感な人:相手の態度と自分への評価を切り分け、事実と想像を整理する。
- 我慢しがちな人:本当は何を望んでいたのかを言葉にし、できる範囲で伝える。
- 職場や家庭のストレスが強い人:セルフケアだけで抱え込まず、周囲への相談や環境の調整を検討する。
- 気分が長く落ち込んでいる人:自分を責めず、必要に応じて医療機関や心理の専門家に相談する。
厚生労働省の「こころもメンテしよう」では、ストレスのサインに早く気づき、休息や気分転換を取り入れること、つらさが続くときには一人で抱え込まず相談することが勧められています。眠れない日が続く、気分の不安定さが数週間続く、何もする気が起きないといった状態では、セルフケアだけで解決しようとしないことも大切です。
向いているのは、自分の状態を知り、小さな工夫を積み重ねたい人です。一方、「自分で機嫌をとらなければ」と考えるほど苦しくなる人や、周囲から不当な扱いを受けている人は、この言葉を我慢のルールにしないでください。環境を変えることや他人の力を借りることも、自分を守るための大切な選択です。
【自分の機嫌は自分でとる】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「自分の機嫌は自分でとる」とは、どういう意味ですか?
A1:落ち込んだりイライラしたりしたとき、自分の感情や必要としていることに気づき、休息や気分転換、相談などの対処を自分で選ぶという意味です。いつも明るく振る舞うことや、誰にも頼らずに生きることを意味するわけではありません。
Q2:「自分の機嫌は自分でとる」の元ネタは誰ですか?
A2:一人の発言だけを起源とするのは難しく、複数の発信が広まるきっかけになっています。マイナビニュースは、2018年4月のテレビ番組でのみやぞんさんの発言を紹介しています。また、Oggiの瀧波ユカリさんのインタビューでは、漫画『臨死!! 江古田ちゃん』での使用や、2018年2月のSNS投稿の反響が紹介されています。
Q3:機嫌を良くするために、まず何をすればよいですか?
A3:まずは睡眠不足や空腹、疲労がないかを確認しましょう。そのうえで、入浴、深呼吸、散歩、好きな音楽など、負担なくできる方法を一つ試してみてください。気分が沈んでいるときに、無理に明るく振る舞う必要はありません。
Q4:他人に機嫌を左右されないようにするには、どうすればよいですか?
A4:相手の態度と自分への評価を切り分けることが第一歩です。相手の機嫌が悪いからといって、自分が悪いとは限りません。自分が何を望んでいるのかを整理し、必要なら具体的に伝えることも効果的です。
Q5:自分の機嫌を自分でとれない日は、どうすればよいですか?
A5:機嫌を立て直せない日があっても、自分を責める必要はありません。無理に気分を上げようとせず、休息を取ったり、信頼できる人に話を聞いてもらったりしてください。不調が長く続く場合は、医療機関や専門家への相談も検討しましょう。
まとめ:自分の機嫌をとることは、自分を大切にすること
「自分の機嫌は自分でとる」という言葉は、誰かに幸せにしてもらうのを待つのではなく、自分の感情や希望を理解し、自分にできる行動を選ぶためのヒントです。睡眠や食事、休息を整えることも、深呼吸や散歩で気分を切り替えることも、自分の本音を伝えることも、その実践に含まれます。
一方で、すべての不機嫌を自分の努力だけで解決する必要はありません。人に助けを求めてもよいですし、無理な環境から離れても構いません。感情を抑え込むことではなく、感情を理解したうえで自分を守る行動を選べることが、自立した生き方につながります。
まずは今日、自分に「今、何が必要だろう?」と問いかけてみてください。十分に眠ることかもしれません。好きなものを食べることかもしれません。誰かに助けてほしいと伝えることかもしれません。小さな選択を積み重ねながら、自分の機嫌を自分の手に少しずつ取り戻していきましょう。 (出典: 自分 の 機嫌 は 自分 で とる(Yahoo!ニュース))
佐藤 拓也 (Takuya Sato)
コンテンツディレクター最新のトレンドや話題のニュースをわかりやすく解説するWebライターです。読者の皆様に役立つ情報を日々お届けしています。
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